緩やかに朽ちてく僕の世界の片隅に

僕の中で紡がれた物語や思考や独り言がこぼれ落ちて霧散するまでの記録

不確定な未来の中で唯一「失う」ことだけは確定していた

進むべき道が無い
正しいと思える選択肢も無い
どこに向かっても何かを失ってしまう
思い描く未来が存在出来ない
進みたいのか留まりたいのか分からないまま、零さないようにただただ大事に抱えていただけ
そんな冬の終わり

悩むのは嫌いじゃない
ただ極端に振られた感情の振り幅を修正する何かが必要だったんだと思う
非現実とも思える安定した癒やしというバランサーを

なんて書くと大袈裟ですが、メチャクチャ悩みを抱えてた時にアイドルに癒やされたってだけの話なんですけどね
でもじゃあファンなのかと言われたらファンとは言えない気がします
別に隠したいとかじゃないんです
ファンの定義が何なのかよく分からないせいかもしれません
少なくとも今の僕はファンを名乗る気にはなれないのです

事の始まりは冬が終わりかけた3月
その頃僕は解決不能の悩みを抱えてて(現在進行形)帰宅後は数時間ぼーっと動画を見てるだけな日々でした
その時偶然見かけた乃木坂メンバーが出演してる「乃木坂工事中」の動画
誰の名前も分かりませんがワチャワチャ騒いでる動画にふと笑みがこぼれた記憶があります

その時一人だけ記憶にある子が居ました
同僚が週刊チャンピオンを愛読していまして借りて読んでた時期があるのですが、その巻頭に良く載っていた女の子でした
その時はこの子可愛いなあって程度で、そうかこの子乃木坂だったかくらいな感じで
その子がバレンタイン企画でメンバーに振られ続け泣きまくる回がありまして、これまた見事にストライクゾーンど真ん中でしたね
泣いてる顔がメチャクチャ良くて

好きな子が泣いてる顔を想像したらゾクゾクしない?
って友達に言ったら全否定されたことがあります

補足しますが悲しい思いをして欲しいってことじゃないですよ?
嬉し涙でも良いんです
ただただ泣いている顔が好きなだけなのです!

泣いてる顔ってのは誰しも見られたくないものでそれを見せてくれるってのは素を見せてくれてるってわけで・・・
とか色々分析したこともありますがここでは割愛します

そんなこんなで観ていくうちに「この娘も可愛いな。なんて名前だろ」とか気になりだして、いつしか楽しみにするようになり、名前も覚えていき、「あれ?僕は乃木坂にハマってるのかな」って思うほどに

それから2ヶ月ほどが過ぎて曲も聴いてみようかなとふと思いました
嘘のような話ですが、笑ったり、騒いだり、泣いたり、怒ったり、そんな彼女たちを観てるのが好きだったので曲は一度もちゃんと聴いていませんでした
が、結果としてはあまりハマれず今でもほとんど聴いていません
ダメとは思いません
良い歌詞だなと思う曲も多いんですよ?
ただ、アイドル調の曲を今まで全く聴いていなかった僕に合わないのは仕方ないかと
合わないと分かってるから聴いてこなかったわけですし(笑)

まあファンを名乗りたくて彼女たちを観てるわけではないので良いかなって感じでバラエティは観る、曲は聴かないってスタンスで過ごしていました

乃木坂を気になりだしてから3ヶ月が過ぎた頃、同僚に欅坂を推されました
曲を聴かない話をしたら、だったら欅坂を聴いてみれば?と
その頃は「アイドル好きなわけではない乃木坂が好きなだけ」みたいな変な考え方になっていて、手広く知りたいわけじゃないのにとか言いながら薦められた欅坂を観ることに

第一印象は乃木坂とは正反対でした
失礼ながら乃木坂と比べてそこまで可愛いとは思いませんでした
でも曲は抜群に良い
可愛いをコンセプトにしない曲調にハマりました
当然アイドルなのでアイドル調の歌もありますがそこは華麗にスルーしまして好きな曲だけ聴き倒すスタンスです

サイレントマジョリティ
世界には愛しかない
語るなら未来を…
二人セゾン
不協和音
ガラスを割れ!

ミュージックビデオも良い
メンバーもろくに覚えないまま音楽だけ聴いてました
MV見ても平手友梨奈さん以外ほぼ顔映らないので覚えようもありませんが

平手友梨奈さんの演技は素晴らしいです
ただただ狂気です
他のメンバーと役への潜る深さが違うと言うのか
一人だけ深度が違う感じです
平手友梨奈さんを中心に回してく運営方針も良し悪しはともかく納得は出来ます

でも、そんな中で僕が何故か気になったのは他の子でした
よく笑っていて負けず嫌いでそのくせよく負けてすぐ泣いて
いつも楽しそうで
いつも悔しそうで
その素直さに強烈に惹かれました

可愛さで言ったらそれこそ齊藤飛鳥さんや西野七瀬さんのが圧倒的かもしれませんね
でも好きかどうかで言ったら一番でした

渋谷川
夏の花は向日葵だけじゃない

その子の曲を聴くようになり、感情的になりそうなところを敢えて少し抑えて唄うような歌い方も好きです

楽曲が好きで
推したい子が居て
これがファンってことか?と思った矢先に卒業が発表されました

始まると思ったら終わりました

今泉佑唯さんが居なくなった後の欅坂を僕はどう観るのでしょう

今泉佑唯さん個人を追うことは簡単です
ただ好きで居れば良いのですから

でもグループしてはどうなのでしょう

乃木坂は彼女らの一面、一部分しか観ない

欅坂は私にとっての欅坂である理由が居なくなる

嫌いになる理由なんかは無い
欅坂の楽曲も今まで通り聴いています
でも最早私には欅坂は喪失感の象徴です
失うことを実感するために曲を聴いている状況です

TV番組を毎週観て
音楽聴いて
客観的に見れば充分ファンでしょう

でもこの感情がファンと呼べるのか
少なくとも僕自身はファンを名乗ろうと思えません

コンセプトは喪失感?
個人的には全然有りですが一般的には無しでしょうね

そんな名前のないどうしたらいいか分からない感情は最初に出てきた解決出来ない悩みと混ざり合って、いよいよもって訳が分かりません

当初はバランサーとして癒やしを求めて観始めたはずなのにね

悩むのは嫌いじゃない
自分に言い訳して手放すのは嫌い
悩みは零れるまで抱えていたい

答えを見つけるのが先か
失うのが先か

不確定な未来の中で唯一「失う」ことだけは確定しています