緩やかに朽ちてく僕の世界の片隅に

僕の中で紡がれた物語や思考や独り言がこぼれ落ちて霧散するまでの記録

風渡る丘に在りて何を想う

苫前町に来て2日目
夜のフライトまでに旭川空港に戻ればいいので今日はいくらでも時間はあります
今回の旅程では他の予定を一切入れていません
飽きるまで、満足するまで、何かが分かるまで、その丘に居ようと思っていたので

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早々にホテルを出て9時半には再び上平グリーンヒルウィンドファームに到着
幸運にも今日は快晴です
舗装路はすぐ砂利道になり、ゆっくりと進みます
牧場と併設されている場所なので入れる所と入れない所があり、残念ながら皆が走ったり踊ったりしていた場所は入れないようです

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海と緑と巨大風車
壮観ですね

ここに来るまで、ここに来れた時の事をずっと考えていました
もしかしたら着いた瞬間にテンションが上がって叫んでそして満足してしまうのかなと
着いた!ってSNSに載せて皆から良いねって言われてここまで来た自分に酔ってハイ終わり飽きたから他行こうってなるのかなと

しかし現実は全然違いました

広大な草原に誰も居ない
ここに着いてから人一人見ていない
生活音が全くしない
海が近いはずなのに波の音が聞こえない
風の音もほとんどしない
風ってぶつかるモノがあるから音がするのかもしれない
何もない広い草原では草木を緩やかに揺らすだけ
唯一風車だけがゆっくりと一定の速度で回っている

そんな光景の中で僕はただただ溢れんばかりの感情の波に揺さぶられていました

ここはこの旅の目的地であり
ここで終わりの最終到達点であり
今僕を取り巻く一連の出来事の始まりの場所で

そして僕は今ここに立っています

感傷なのか

郷愁なのか

感動なのか

哀愁なのか

懐古なのか

どの感情も当てはまり、どの言葉も言い表すには足りない
全てをごちゃ混ぜにしたようなそんな感情です

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海にほど近い入れる場所に1本だけ風車が立っていたので近くまで行ってみました
60mを超える高さと20mはあろう風車の羽は真下から見ると想像以上に視界に飛び込んできます

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近くまで行くと先程とは違って風車の風切り音がゴウゴウ聞こえます
絶対当たらないと分かっててもゾクゾクします

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草むらに寝転んで回る風車をずっと眺めていました
時間が進んでいるのを認識出来るモノが何も無い
今世界が止まっても僕は気づけない
ここが現実社会からあまりにかけ離れていてリアルなのか分からなくなります
つい一昨日までは仕事に忙殺されていたのに
今日帰ったらまた現実社会が待っていると言うのに
同僚達から時折来るグループLINEが酷く現実的なのが逆に離れた現実との距離を教えてくれます

誰も居ない場所
見渡す限りの青と緑
ここには僕が望むモノだけが在り、望まないモノが一つも無い

そんな思考も微睡みそうな至福の時間を過ごしながら頭の片隅で考えていたのです

 

「答えなんて無いな」と

 

ここまで引っ張っておいて馬鹿みたいな結論ですが心の底からそう思いました
旭川に来てからのワクワクした気持ち
伊納大橋に着いた時のちょっとした達成感
紅葉の中をひた走る爽快感
海に出た時の高揚感
車内から風車が見えた時の感情の高ぶり
ロケ地を見た時の言い表せない名前の無い感情
風車を見てるだけでささくれ立った心が癒やされていく感覚
全て感情が振れた結果です
頭で考えて起こした感情は一つもありません

こうあるべきだから
こうした方が良い
そんな理性では心は動かないでしょう
何かを好きになるのに打算が働いたことなんて無いでしょう
好きなフリは出来てもそれは好きじゃない
好きじゃないフリは出来てもそれは認めたくないだけですでに好きですよね

今泉佑唯さんが居なくなった欅坂を見るその時、感情がどう振れるか

その来たるべき日を楽しみにします

そして最後に、ロケ地の補正抜きに上平グリーンヒルウィンドファームは大変素晴らしい所です
必ずまた来ます
その時もまた「ここでロケやったんだなー」ってポジティブな感情で言えたら最高ですね
いや
最高かよ!

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