緩やかに朽ちてく僕の世界の片隅に

僕の中で紡がれた物語や思考や独り言がこぼれ落ちて霧散するまでの記録

そんな名前の知らない感情

先日、北海道へ行く機会がありました
冬の北海道は初めてだったのですが空港に付いたのが正午だったのにも関わらず気温がマイナス7℃
日が落ちたらもう尋常じゃない寒さでした
現地の方に聞いたら軽く「今日はまだまだですよー」って返されたのがまた恐ろしい
関東人の僕には体感したことのない寒さでしたよ

誰ですかね試される大地とか言ったのは?
試してなんかこないです
一方的に殺しに来ています
北海道は大好きですが住むのはちょっと覚悟が要りそうです

北海道に来ると無条件で「世界には愛しかない」を聴いてしまいますね
僕の中では
北海道=広がる壮大な草原=世界には愛しかない
ってイメージが完全に固まっています
夏の曲ですが冬に聴いても良いものはやはり良い

草木が青々とした草原も良いですが、雪の中で回る風車も見たいなと行ってみて改めて思いました
でも上平グリーンヒルウインドファームがあるのは日本海側で雪が酷く、電車も通っていなくて、レンタカーで行くのは雪に慣れていない僕にはリスキー過ぎて諦めざる得ない状況です

どうやったら見に行けるだろうと調べていたら昔は行けたんですね
留萌本線留萌駅から宗谷本線の幌延駅へ繋がる羽幌線が昔は走っていました
残念ながら1987年に廃線となってしまったようです
もし今でも路線が残っていたら上平駅で降りてすぐに風車を見られたんですね
夢のような話であり実在しない夢の話です
春が過ぎて雪が解けてまた行けるようになったら、今度は風車だけでなく今は失くなった路線にも想いを馳せてドライブする楽しみが増えました

そう言えば僕はすでに無いモノに思考を巡らせる事がとても好きなのですがその感情はなんて名前なのでしょう
例えば前述したような廃線跡に立った時の「前はここに電車が走ってたんだなあ」と思いに耽る感情
例えば廃校になってグラウンドにも草が生えて整備されていない学校を見た時のかつては子供が走り回っていたであろう過去を想像する時の感情
「懐古」「追憶」が一番近いかと思いましたが、どちらもそれが「在った」時を知っていて「失った」事を懐かしむ感情なので少し違いますね

自分が知った時にはすでに無いものへの擬似的な郷愁の想いにも似た少し切なく、少し寂しく、思い出は無いのに思い出すかのように少しだけ温かい

そんな名前の知らない感情が僕は好きなのです